着物の着付け

 着付け教室選び 

着物選びの第一歩は、自分で着付けできるようになること。
きもの属たちがそれぞれ習いに行った経験から、着付け教室の特徴をまとめました。
個人の見解には差があり、かなり年数が経っている例もありますので、その点ご承知おきのうえ参考になさってください。

★専門学校タイプ

京都K学園や長Nきもの学院などの着付け専門学校は、入門者対象のコースから始まり、決められたカリキュラムに従って次々にレベルアップしていきます。お免状の取得や、人にも着せてあげられるレベルを目指す場合はこうした着付け教室が適しているでしょう。
ただし免状といっても、各着付け教室ごとに設けているもので、国家資格ではありません。
入門者コースは約10回程度。ほとんどの場合、最初のコースだけで自分で着られるようになるのは難しく、2段階くらいは必要なようです。

京都K学園の体験例

全国展開している着付け教室です。入門者対象のコースは10回1万円。
はじめに着付け練習用に既製品の浴衣と化繊の着物をもらえます。

畳み方にはじまり、着物の着方、浴衣の帯結び、名古屋帯、ポイント柄の名古屋帯、袋帯の結び方など、入門コースでひと通り習います。
手結びは途中で一度やりますが、基本的には専用のお道具(購入)を使った帯結びを習います。
生徒10人に対して先生2人、助手23人ついてくれるので、分かりやすくて楽しかったそうです。
ただ、10回だけでは自分で着られるようにはならなかったといいます。
この方が例外というわけではなく、一般的に入門コースだけでは着られるようにならないので、次のコースをすすめられます。
平たい帯締めの結び方やおはしょりの整え方などは上の段階で学びます。
また、手結びだけ習いたいといった融通は利かないので、カリキュラムに沿って着付けのノウハウを一から学びたい方に適しています。

★自由対応タイプ

カリキュラムにこだわらず、習いたい人の要望に応じて対応している教室。
若い時に一度習ったけど忘れてしまった、友達と3人で教えてもらいたいなど、個々のケースに対応してもらえます。
都度払いまたは数回・数千円程度の設定で、1回10002000円程度が多いようです。
文化センターや街角の掲示板にポスターが貼ってあるなど、案外探せば近くにあるものです。

YOU&有きもの学院の体験例

神戸・岡本にある教室で、御影ライムはここで習いました。小規模ですが基本から免状までとれる専門学校タイプのコースと、カリキュラムにこだわらない自由対応コースを選択できます。
私は着物の畳み方、浴衣の着付け程度はできたので、名古屋帯と袋帯の道具を使わない手結びを中心に自由コースで習いました。
代表の鵜川有先生はブライダルやショーの着付けまでこなす腕前。合理的な手順を追った指導がとても分かりやすく、10回以内で名古屋帯の手結びはできるようになりました。
昔習ったことがある方には特におすすめです。
自由コースの料金は数回単位のチケット制。→HP

★イベントタイプ

文化センターや公民館などで「ゆかたの着付け教室」、「名古屋帯の手結び」など1回~数回限定、低料金で開催されることがあります。
これだけで着られるようになるというより、きっかけづくりにするといいでしょう。

 

★呉服店関連サービスタイプ

日本の呉服振興のために行われている着付け教室。
着付けを習う料金そのものは無料、または低料金です。
ただし、着物や帯の購入をすすめられるので、必要のない人には気が重くなることもあるようです。
逆に、着物を購入したい人にとっては、間違いのない品をデパートなどに比べると割安で購入できるのが魅力とか。それを分かった上で参加するといいでしょう。

N和装の体験例

全国各地で「無料きもの着付け教室」を開催しており、TVコマーシャルでも有名。
1回ペースで約4カ月間、15回の講習を無料で受けられます。
特別なお道具を使わず、浴衣の半幅帯、名古屋帯、袋帯、ひと通り練習。
15回中の2回は京都の織元や型染めなどを訪ねるセミナーがあるのが特徴。この時に実際に着物や帯、草履などの小物を見ながら説明を聞き、希望者は購入できるようになっています。

これが考え方によって評価が分かれるところ。
・メリット  普段なら一人では入りにくい織元などを回れること。着物の初心者ばかり一緒に見るので気軽。他の人のチョイスを見ることが参考になる。専門家が進めてくれるので安心。自分の適正なサイズを計ってもらえる、等。
・デメリット  割安と言っても帯と着物で数十万円。買わなくてもいいが、強い意志がなければ断りにくい。絶対買いたくない人はセミナーだけ休んでいたそうです。参加したきもの属は、せっかく着付けを習ったからと、断り切れずに帯と紬の着物を購入。気に入ってはいるものの予定外の出費が痛かったそう。一緒に参加した友人は、着物のことを勉強でき、購入するいい機会になったと大満足だったそうです。
着付け教室の締めくくりとして、最後にホテルでのコンテストのようなパーティー(有料)があり、自分で着付けた着物姿をみなさんに披露します。

★総評

それぞれのニーズが違いますので、どのタイプがベストかは一概に言えません。
着物や帯は何かしら箪笥に眠っていて、自分で着て遊びに行けるレベルを目指す『晴れてらす』としては、自由対応タイプが適しているように思います。
いずれにせよ、昔、母に結んでもらっていた結び方より、現代の着付け教室の結び方の方が進化していてずっと楽です。
また、お太鼓や二重太鼓は「結ぶ」のではなく、折り紙のように「畳む」感じで帯自体の痛みも少なくて済みます。
昔の結び方を知っている方でも、一度習いに行ってみる価値はあると言えます。

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 振り袖の着付け 

このサイトはふだん着物のサイトですが、番外編として、管理者の娘が、親戚の結婚式(19歳)と成人式の2回、同じ振袖を着付けてもらい、着付けの違いで感じたことをご紹介します。

★着付けの違い

1 着付けは結婚式場

2 成人式

2の着付けはYOU&有きもの学院の鵜川有先生。
親から見た全体の印象は、1の結婚式場の着付けも悪くはないのですが、20歳後半のお姉さんのイメージでした。
2の成人式には「初々しさを大切に」とお願いしました。

★襟合わせの鳩胸ラインが決め手

1 胸元の衿合わせのラインが、のどから帯に向かって一直線で平板になっています

2 綺麗に弧を描いた鳩胸ラインが初々しさのポイント。綿で補正しますが、個々の体型に合わせた補正技術が鍵

★半衿をカラーから白へ

1、抹茶緑の半衿は花柄の刺繍が施されていて綺麗ですが、顔色が沈んで見えます。
2、半襟を白にピンクの刺繍の半衿に替えたところ、パット明るくなりました。
色味が減った分、伊達襟はピンクと緑の2色を差し入れることに。
きものだけではなく本人の顔写りも確かめることが大切です。

★小物を替えるだけでイメージも変化

1、帯締めは昔の淡いピンク 2、現代の緑&赤に変更。
品質は昔のものの方がいいのですが、成人式の華やかさを演出するためには、新しいエッセンスを取り入れるのもいいようです。

★帯結びは体型に合わせて

1 大きく広がった垂れがかわいい印象を受けます

2 全体が逆三角形に整えられているので、ゴージャスなのにスッキリ

1も素敵ですが、全体のラインが三角形で下に重くなっているため野暮ったく見えます。

2の方が肩幅がカバーされ、後姿が映えています。
スッキリ見せるには、衿の抜きの角度もミソだそうです。

★感想

成人式の日には10時から午後6時ごろまで、振袖のまま出歩きましたが、全く着崩れませんでした。また本人は「全然しんどくない、楽勝」とのこと。脱ぐときに確認すると、使った腰ひもは3本だけ。
着付けで差が出るのをつくづく実感しました。

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